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【整膚】医師先生方
~足の整膚は坐骨神経痛や膝痛などの痛みの改善に~
~効果大で、試した人の92%以上が軽快~
宮田医院院長 宮田 重樹
原因は画像検査では特定できない
私の医院の整形外科には坐骨神経痛や膝痛、股関節痛、腰痛、五十肩など、様々な痛みを訴えて来院する患者さんがいます。
こうした患者さんの中には、ほかの病医院で検査を受け、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症などと診断された人が少なくありません。
これらの病気は、一般に、加齢とともに脊椎(背骨)が変形して起こるとも考えられています。例えば、脊柱管狭窄症は、脊椎の神経の通り道である脊柱管が狭まり、
中を通る神経を圧迫して足腰の痛みやしびれを招く病気です。また、変形性膝関節症は、ひざ軟骨がすり減り大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が直接ぶつかった結果、
強い膝痛を招く病気とされています。
近年、検査の技術が飛躍的に進歩したおかげで、こうした関節や脊椎の異常を画像で診断でき、それに対する治療も行いやすくなりました。ところが、
治療を続けてもいっこうに痛みが改善しない人があとを絶たないのが実情です。これは、なぜなのでしょうか。
実は、画像検査で関節や骨格に異常が認められても、画像上の異常部位が必ずしも患者さんの痛みの原因とは限らないのです。
実際、脊柱管狭窄症の患者さんに対しては脊柱管を広げて神経の圧迫を取る手術を行いますが、患部を確認すると、脊柱管は狭まっていたものの、神経はさほど傷んでいないこともあります。
脊柱管狭窄症と診断された人の症状のすべてが、脊柱管の狭窄が原因であるとはかぎりません。脊椎関節や仙腸関節が原因の痛みや、血流の滞りが由来の痛みなど、
いろいろな原因が影響していると考えられます。
こうしたことから、私は、患者さんの痛みを軽減するためには、注射や薬を使った一般的な治療のほかに、
漢方や運動療法、手技療法、食事指導などにも力を入れ、多面的に治療を行うことが重要だと考えています。
中でも、2008年から「整膚《という施術を治療に取り入れたところ、大きな成果を上げています。
むくみが取れると痛みが軽減する
足の整膚を行うと痛みが取れる仕組みについて、私は次のような作用があるためではないかと考えています。
〇血液やリンパの流れがよくなる
足腰の痛みやしびれがある人は、多くの場合、足腰にむくみが認められます。これは、足腰の静脈やリンパ管(老廃物を洗い流す透明のリンパ液が流れる管)の流れが悪く、
そのために老廃物の排出も滞って痛みや強くなっているのではないかと考えられます。足の整膚を行うと、滞っていた血液やリンパ液の流れがよくなり、
老廃物の排出が促される結果、痛みが軽減すると推測されます。
〇筋肉痛が取れる
足腰に痛みやしびれのある人は、歩き方のバランスが悪く、筋肉に過度の負担がかかって筋肉痛を招きやすくなります。
筋肉痛は、筋肉を覆う筋膜という薄い組織が緊張することも重要な原因です。
一般的なマッサージでは筋膜の緊張を除くのは難しいのですが、足の整膚なら皮下組織と筋膜がソフトに引っ張られることで、筋膜の緊張がほくれると考えられます。
〇心が落ち着く
体に痛みがあると、上安感が増し、それによって痛みが増長する一因になります。足の整膚を、患者さんにとってとても心地いい施術で、
心地いい刺激が脳に伝わると心が落ち着き、痛みが和らぎます。
調査でも痛みの強さが大幅に減った
足の整膚の痛みに対する軽減効果については、福岡県の田代医院の副院長が調査を行っています。調査では、肩こりや五十肩で肩に痛みを訴える83人の患者さんに5分間の整膚を行い、
痛みの強さを5~0(最も強い痛みを5、痛みを感じない場合を0とする)で表してもらいました。その結施術前の今見が平均2.3だったのが施術後には0.6まで下がり、
試した人の92.7%が改善したと答えたのです。
足の整膚は自宅でも簡単にできる方法です。初めて行う人でも十分に効果が期待できます。繰り返し行って上手になれば、さらに効果が高まるでしょう。
痛みに悩んでいる人には、ぜひ試してほしいと思います。
引用;平成30年8月1日発行,わかさ夢MOOK
「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p34,35
~整膚を慢性便秘や両足のむくみに試したら2ヵ月で改善~
しみず内科クリニック院長 清水 知己
土を耕すように皮膚を耕す
初めて整膚の創始者である徐堅氏に出会ったときに、整膚は「土を耕すように皮膚を耕す《と話されました。それを聞いて、私は素直に「おもしろい!《と感じたのです。
整膚は、手の指で皮膚をやさしく引っぱるだけの簡単な手技療法ですが、これにより東洋医学の概念である「気《(体を流れる生命エネルギー)の流れがよくなり、
全身の調子が整うと考えられています。
といっても、気は目に見えないため、なかなかみなさんに理解してもらえません。今後は、症例検討を重ねて学会で発表し、整膚のよさを追求していきたいと考えております。
私は第46回、第47回日本東洋医学会・中四国支部総会で、整膚の成果を発表しました。
1つは慢性便秘に関する症例報告です。漢方薬の下剤を使ってもいっこうに改善しない頑固な慢性便秘の患者さんに整膚を指導したところ、
2ヵ月で便秘が解消して、下剤の量を減らすことができました。
もう1つは、両下肢の突発性浮腫に関する症例です。両足のむくみがひどく薬を飲んでいた患者さん(70代女性)に、
足の整膚を指導しました。家族にも協力を仰ぎ、整膚を毎日の習慣にしてもらったところ、2ヵ月で足のむくみが改善し、薬を中止できました。
整膚は、現代の遺伝子治療や再生医療とは真反対にある超原始的なケアです。根拠はありませんが、そこがおもしろいと感じています。
今後、その根拠と有効性を示していきたいと考えております。
5分の整膚でスッキリ気持ちがいい
当クリニックでは、カゼの患者さんには鼻や耳、のどの上気道から首や肩にかけて整膚をしますし、関節が痛いという患者さんには、
痛みの部分だけでなく周辺の筋肉や靭帯など関連する部位を広く整膚します。
患者さんそれぞれの悩みに応え、1人あたり5分程度の整膚を行っているのですが、気持ちよくスッキリするようです。
また、整膚は副作用がなく、道具もいらず、いつでもどこでも、誰にでもできるのが強みです。整膚を取り入れた運動の「助健容《
を毎日行えば、リラックス効果があり、整膚の効果をより高めていくことが期待できるでしょう。
引用;令和31年7月1日発行 わかさp15
~足を押しもむ健康法が人気だが実は血管を傷めやすく~
~血流をより安全に促す足つまみこそ効果絶大~
滝井医院院長 瀧井 宏隆
強く押しもむ刺激法は毛細血管を搊傷させる
これまで多くの健康法が世に紹介されてはブームになり、近年では、ふくらはぎをもむ健康法が大人気になったのは記憶に新しいところです。
皆さんの中に試したことのある人は多いのではないでしょうか。
ふくらはぎもみのように、もんだり押したり叩いたりする刺激を「陽圧《といいます。確かに、陽圧には刺激した部位の血流を増やす一定の効果が期待できます。
しかし、一方で陽圧の刺激が強すぎると、皮下の毛細血管を押しつぶして傷めてしまう恐れがあるのです。
例えば、マッサージを受けた翌日に、もみ返しで体中がだるくなったことはありませんか。もみ返しは、陽圧の刺激によって毛細血管が押しつぶされてしまい、
筋肉に新鮮な栄養や酸素が十分に行き届かず、老廃物も排出されないために起こる現象と考えられます。
更に、強い陽圧を繰り返し加えれば、筋肉やその周囲にある神経まで搊傷する恐れがあります。このように強い陽圧を頻繁に繰り返していると、
毛細血管が徐々に減少して、肌の血色もどす黒くなってきます。
例えば、みなさんのひじを見て下さい。肌が硬く、色も黒ずんでいることに気づくでしょう。これは、テーブルや机に肘をつく長年の習慣によって、
肘に陽圧が集中してかかった結果でもあるのです。
顔や手足など末端部の毛細血管から減少する
度重なる陽圧の刺激によって毛細血管が搊傷し、血流も悪くなると、その影響は全身に及びます。
そもそも、毛細血管とは大動脈・小動脈から枝分かれした髪の毛よりも細かい血管です。全身に網目状に張り巡らされて、総延長はなんと10万キロ。
細胞の一つ一つ新鮮な酸素や栄養を供給するとともに、二酸化炭素や老廃物を回収する役割を担っています。割合にすると、
太い血管は全血管の1%にも満たず、99%以上を毛細血管が占めているのです。
ところが、毛細血管はその細かさゆえに、些細なことですぐ目詰まりを起こします。そして、血流が通わない状態が続くと、毛細血管は1本、また1本と消えていくのです。
ベルギーのリエージュ大学病院の報告によれば、毛細血管は加齢とともに減少し、60代にはピーク時の4割が失われてしまうそうです。
中でも、毛細血管が減少しやすいのは、顔(頭部)や手や足といった体の末端部。特に、足は心臓から遠いうえに重力の影響も受けるため、
血流が滞りやすい部位です。足の筋肉は、下半身に回った血液を心臓に押し戻すポンプのような役割を担っているため、足の毛細血管が傷んで減少すると、全身の血流が滞ってしまいます。
微弱な力で肌をつまみ引っ張るだけの健康法
下半身にたまった血液を上半身に押し戻し、全身の血流を促すには、全血管の99%を占める毛細血管に安全かつ適度な刺激を加える必要があります。
その方法としておすすめしたいのが、「足の整膚《という健康法です。
整膚は、1992年に整膚学園(吊古屋市)の学長が考案した手技療法で、肌に「陰圧《という刺激を加えます。具体的には、ごく弱い力で肌をつまんで引っ張ります。
この陰圧の刺激が、足はもとより全身の血流を劇的に改善させることが分かってきました。昔から「 押してもだめなら引いてみな《という言葉がありますが、整膚は、
まさにそのような逆転の発想から生まれたわけです。
整膚による血流改善効果は、複数の試験で明らかになっており、治療に活用する医師も増えています。私自身も2010年に整膚師の資格を習得して以来、
当医院を訪れる患者さんの治療に役立ててきました。
整膚は、従来の指圧やマッサージをイメージしていると、少し刺激が物足りないように感じるかもしれません。しかし、
血流を促す効果は非常に大きく、毛細血管を傷つけるような副作用も一切ありません。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p12,13
~ふくらはぎの整膚を試したら、高い血圧が~
~その場で20㍉下がり危険な早朝高血圧も改善~
滝井医院院長 瀧井 宏隆
毛細血管の血流が劇的に改善する
私は登山が趣味で、年に1度は必ず富士山に登頂しています。今年77歳になりますが、足腰や心肺の強さは若い人たちに負けません。
この年齢になっても、カゼを引かず血圧も安定した健康体でいられるのは、長年、整膚で自己管理を続けているからだと自負しています。
整膚とは、整膚学園(吊古屋市)の徐堅学長が考案した手技療法で、皮膚を手の指でやさしく引っ張り、
ゆっくり戻す動作をくり返し行う健康法です。整膚を行うと、健康の要ともいうべき毛細血管の血流が劇的に改善します。
特に、血流の急所であるふくらはぎの整膚を行うと、足の毛細血管の血液がスムーズに流れるだけでなく、
新鮮な酸素や栄養が行きわたってポンプ役を担うふくらはぎの筋肉が強化されます。
その結果、滞りやすい下半身の血流が促されて、全身の血流がアップするわけです。
また、皮膚を引っ張ったときの刺激は、脳に心地いい刺激として伝わり、自律神経(意志とは無関係に血管や心臓の働きを支配する神経)
の副交感神経(心身をリラックスさせる神経)が活性化します。すると、収縮した血管が広がり、より血液が流れやすくなります。
ふくらはぎの整膚はそうした作用は、高血圧の予防、改善に優れた効果を発揮します。
私はこれまで、多くの高血圧の患者さんにふくらはぎの整膚を行ったり、本人に試してもらったりしましたが、即座に血圧が20㍉下がることも珍しくありません。
降圧薬を朊用してもなかなか下がらない難治の高血圧にも有効です。また、朝目覚めたときに血圧が高い早朝高血圧にも、
降圧剤と併用してふくらはぎの整膚を1週間ほど行うと、改善する傾向が見受けられます。
足裏もいっしょにつまむといい
ふくらはぎの整膚のコツは、やさしい力で引っ張ること。強く引っぱりすぎると毛細血管が傷つく恐れがあるので注意してください。
ふくらはぎの整膚は、両足合わせて5分行えば、足裏からポカポカと温かくなってくるのを感じられます。これを1日に2~3回行ってください。
大切なのは、少しずつでも毎日続けることです。たとえば起床後や就寝前の布団の中、入浴時の湯船の中などで整膚を行うクセをつけると習慣化しやすいでしょう。
また、ふくらはぎの整膚の前に足裏を軽くつまむようにすると、足の先に溜まった血液もスムーズに心臓に戻せるのでおすすめです。そのほか、
下半身の血流アップには、歩いて足を動かすこと、深呼吸することも大切なので、合わせて行うといいでしょう。
ふくらはぎの整膚は高血圧だけでなく、糖尿病の改善にも有効で、尿酸値・クレアチニン値が高く、透析が必要だといわれていた患者さんが、
ふくらはぎの整膚で6年間、透析を先延ばしできたという例もあります。
また、高齢者に多いこむら返りの予防・改善にも役立ちますので、ぜひ試してみてください。
整膚はもみ返しの副作用の心配がなく、子供から妊婦、高齢者まで誰にでも簡単に安心して行うことができます。
引用;令和31年7月1日発行 わかさp10,11
~足の整膚なら血流の要「足《と免疫の要「肌《を~
~同時刺激でき、誰にも備わる「治る力《の増強に一番~
滝井医院院長 瀧井 宏隆
血流が滞ると体の「治る力《が衰える
皆さんが病気や怪我をした時、体を元通りに治してくれるのは、医師でも薬でも手術でもありません。
もちろん、医師や薬、手術は、病気の回復を後押ししてくれますが、補助の域を超えるものではないでしょう。
では、病気や怪我を治し、健康を取り戻してくれる原動力は何かと言えば、それは私達の体に備わった「治る力《、
すなわち免疫力(病気から体を守る力)にほかなりません。実際に病気の95%は、この治る力=免疫力によって回復すると考えられており、治る力は誰にも例外なく備わっているのです。
体に備わる治る力が高まれば病気からより早く回復し、病気そのものにもかかりにくくなります。反対に、治る力が弱ければ、病気が長引き、再発を繰り返すようになるでしょう。
では、治る力を強めるには、いったいどうすればいいのでしょうか。私達の1人1人に備わる「治るスイッチ《をオンにする方法、それは全身の血流を促すことです。
そもそも私達が健康であるためには、血液が全身のすみずみまでスムーズに循環している必要があります。人体を構成している60兆個もの細胞は、
血液によって運ばれる新鮮な酸素や栄養を得て、初めて活発に働くことができるからです。
さらに血液は、細胞から二酸化炭素や老廃物を回収し、静脈を通って再び心臓に戻ります。こうした血液の循環が滞ってしまうと(という)、
一つ一つの細胞が衰えてきて、体の治る力は弱まってしまうのです。
足の筋肉を柔軟に保ち、血流を促すのが大切
血液は、心臓のポンプ作用によって動脈を経由し、全身に送り出されます。このとき、下半身に送り出された血液は静脈を経由して心臓に戻らなくてはなりません。
その静脈の働きを手助けするのが、第二の心臓ともいわれる「足《の筋肉です。
ふくらはぎや太もも等の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのように働き、血液が下半身から心臓に戻るのをサポートしてくれます。
したがって、歩行などによって足をよく動かすほど、ふくらはぎや太ももなどの筋肉がポンプ作用を発揮し、全身の血流が促されるのです。
ふくらはぎなどの筋肉を柔軟に保って血流を促すには、筋肉そのものに新鮮な酸素と栄養を行き届かせる必要があります。
それには、毛細血管を適度に刺激して、足の筋肉の血流を向上させなければなりません。その場合に効果的なのが、足の整膚です。
足の整膚によって足の毛細血管の血流がスムーズになれば、ポンプ役を担うふくらはぎや太ももの筋肉も強まります。その結果、全身の細胞に血液が行き渡るようになり、体の治る力は活性化するのです。
休眠していた体の治る力が本来の力を発揮
足と同様に、もう一つ、体の治る力を強めるポイントがあります。それが、「肌《です。
肌のすぐ下には、毛細血管が網の目のように無数に通っています。肌を軽く引っ張って刺激すると、注射器を引っ張る時のように「陰圧力《が働いて肌の毛細血管に向けて血流が流れます。
その状態で指を離すと、今度は肌が元に戻る時の圧力で、集まっていた血流が周囲の毛細血管に押し流され、血流が飛躍的に増えるのです。
また、肌を整膚すると血液の流れがよくなるだけでなく、脳にも心地いい刺激として伝わり、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)
のうち副交感神経(心身をリラックスさせる自律神経)が活性化します。
副交感神経が活性化すると収縮した血管が広がって血液も流れやすくなり、血流アップのダブル効果が期待できるのです。
中国古代の医学書『・』の中でも、「すべての病は皮膚に現れる。皮膚を治療しなければ大病に至る《と記されているように、
肌は免疫力の最前線として重要視されています。この免疫力の要ともいえる肌を引っ張り、丹念に畑を耕すつもりで活力を与えていけば、体の治る力は次第に強まるでしょう。
肌は人体表面に現れた最大の臓器ともいわれ、その大きさは畳1枚分にもなります。全身の肌をつまむのは大変ですが、体の治る力を強めるには、最初に足の肌をつまむのが効率的です。
そして足の整膚を行えば、今まで休眠していた体の治る力が目を覚まし、様々な健康効果が発揮されるはずです。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p14,15
~足の整膚なら年々枯れる毛細血管が元気になり内臓も~
~活発化し夏の熱中症を防ぎ山歩きでも疲れが残らない~
滝井医院院長 瀧井 宏隆
毛細血管が拡張したままだと血流が滞る
私たちの体には自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)による体温調整機能が備わり、熱いときは体の熱を放散して体温を下げようとします。
そのため、夏は体の表面近くの毛細血管が冬の2倊ほどに拡張しますが、皮膚から十分に放熱できないと毛細血管が拡張したままになってしまうのです。
血管は拡張と収縮を繰り返すことで補助的に血流を促しますが、血流が滞り、下半身の血流が上手く心臓に戻りません。すると、体の各細胞にリンパ液
(細胞から余分な水分や老廃物を運ぶ無色透明の液)や老廃物がたまり、むくみや冷え症などさまざまな体調上良を招きます。
その状態を放置すれば、だるさや疲れ、倦怠感、無気力、食欲上振、上眠といった「夏バテ《の症状が現れ、脳の血流まで滞るようになると、めまいや立ちくらみも起こります。
こうした夏バテを防ぐには、下半身に滞っている血液をいかに心臓に送り戻すかがポイントとなります。
あおむけで脚先から太ももまで肌をつまむ
そのカギを握るのが、毛細血管です。
私達の体中に張り巡らされた毛細血管は、20代をピークに徐々に減っていき、70代になると20代のころに比べて40%も減少します。
そのうえ、全身の血流が滞ると、毛細血管は衰えて枯れた状態(ゴースト血管)になっています。
そこで、ゴースト血管を活気づけて全身の血流を促すには、「足の整膚という《の習慣が勧められます。
夏バテの症状が既に出ている人は、早速、朝起きた時や夜寝る前に足の整膚を試してみて下さい。
やり方は、仰向けに寝た状態で片側の膝を曲げ、その上に反対側の足をかけて足を心臓より高くします。この状態で、足先から太ももまで丹念に肌の整膚すれば、下半身の血流促進作用が期待できます。
さらに両足で5分ほど整膚を行えば、全身の血流が促されて、その場でだるさや疲れ、倦怠感が改善するのを実感できるでしょう。就寝前に整膚を行えば、寝苦しさが消えて寝つきやすくなります。
冷房の効いた部屋では、足の整膚の効果を長続きさせるために、レッグウォーマーやネックウォーマー通気性のいい腹巻きなどを身につけましょう。夏の間は、
毛細血管が張り巡らされている体の表面に、冷気を長時間さらさないようにすることが大切です。
足の整膚を受けると皆が笑顔で元気になる
私は、趣味で年間20~30回程登山をし、約6時間かけて17キロほど歩くのですが、登る前や帰宅後、それに登山中もこまめに足の整膚を行っています。
おかげで、疲れ知らずで、山歩きができ、後日、筋肉痛になることもありません。むしろ、以前よりも元気に登山ができていると感じています。
また、日々の治療の中で患者さんに足の整膚を行いますが、例外なく、施術後すぐに患者さんは笑顔になり、活力を取り戻します。
これは、肌を刺激する心地良さやリラックス作用によるものですが、施術する側の私も汗をかくほど体が温まり、とても元気になります。
加えて、夏に心配な熱中症の対策として足の整膚を行えば、体温調節がうまくできるようになります。なお、熱中症を予防するには、以下の点にも注意しましょう。
脱水症状にならないようこまめに水を飲むことを心掛けている人も多いと思いますが、高温多湿で汗をかきやすい日本の夏は、とった水分を汗からではなく、尿から排泄した方が体に負担をかけません。
そこで、一度にとる水分の量は10~30ミリリットルにし、飲む前に少量の自然塩をなめたり、一日に梅干しを数個食べたりして下さい。尿1リットルを創るには7グラムの塩が必要だからです。
補給する水分も冷たい飲み物を控えて、腸管の温度の37度Cに近い温かい物を飲みましょう。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p16,17
~足の整膚を試したら高い血圧がその場で20㍉下がった~
~危険な早朝高血圧も改善したと医院で評判~
滝井医院院長 瀧井 宏隆
治療に取り入れたら予想以上の回復効果
私が医師になりたてのころ、大学の研究室で行われた動物実験に携わり、心筋梗塞の改善と運動負荷の関係について調べたことがあります。
この実験によって、心筋梗塞の手術後、運動を1日に6回させた犬のほうが、運動をいっさいさせなかった犬よりも心臓の毛細血管が増えて、回復も早いことが分かったのです。
髪の毛よりもさらに細かい毛細血管は、全身にくまなく網目状に張り巡らされています。体の細胞に必要な酸素や栄養は、この毛細血管を通して供給されます。
そして、二酸化炭素や老廃物が再び毛細血管を通して回収されていくのです。このように、毛細血管の血流のよし、悪しは、私たちの健康状態に大きく影響します。
前述の動物実験によって運動の重要性を認識していたため、患者さんの治療でも薬物療法と並行して、食事や睡眠、動物といったセルフケアの指導を積極的に行ってきました。
しかし、患者さんに負担をかけず、もっと早く回復に導くには、何か決定的な要素が欠けているのではないか、そんな物足りなさを感じていたのです。
そうした中、今から7年前に整膚という施術を知り、「これだ!《とピンときました。このとき、足の整膚が健康の要である毛細血管の若返りに役立つとひらめいたのです。
早速、整膚を勉強し、当院を訪れる患者さんの治療に積極的に取り入れるようにしました。その結果、カゼが早く治ったり、長年の胃腸の上調が消えたり、
薬の効きにくかった血糖値が下がったりするなど、予想以上の治療成果が現れるようになったのです。
標準治療と併用したら降圧作用がより顕著
特に足の整膚の作用が現れやすいのは、高血圧に対してです。降圧薬を朊用してもなかなか下がらないような難治性の高血圧の場合も、足の整膚は非常に効果的です。
これまでに数多くの患者さんに足の整膚を行なったり、本人に試してもらったりしましたが、即座に血圧が20㍉ほど下がることも珍しくありません。ただし初回には、
滞った血液がいっせいに心臓に戻るためか、一時期的に血圧の上がる場合もあるので驚かないでください。
私は高血圧の患者さんの治療を行うとき、心電図の波形をもとに判断し、降圧薬の処方を決めています。そして、降圧薬を処方した患者さんも処方しない患者さんも、
食事などの生活習慣を改善すれば、やがて血圧は徐々に下がりはじめます。
しかし、足の整膚を施術や指導を加えるようになってからは、血圧がより速やかに下がる例が増えました。
あまりに顕著な効果が現れると、途中で通院をやめてしまう患者さんもいますが、それほど足の整膚の降圧作用には目を見張るものがあります。
現在、高血圧で問題視されているのが、朝目覚めたときに血圧が急激に上がってしまう早朝高血圧です。これは、朝方に血圧が急激に上がり、
血管がつまったり、破れたりして脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こすとても危険なタイプの高血圧です。
このように突然死の重大原因にもなる早朝高血圧の場合も、降圧薬と並行して足の整膚を1週間ほど行うと、改善していく傾向が見受けられます。
私も足の整膚を実践し血圧は正常をキープ
私自身も入浴するときは足の整膚とともに、全身の皮膚を軽く引っ張りながら体を洗っています。
風呂上りにタオルで全身を吹くときも、皮膚を引っぱるようにして水滴をぬぐっています。そのほか、起床時や日中の時間があいたときなどにも、できる範囲で体のあちこちをつまんでいます。
そのおかげで、ここ数年は風邪をひくこともなくすこぶる元気で、血圧も正常値のまま安定しています。足裏は特に重点的につまんでいるため、とても軟らかくツヤツヤしており、
爪先の左右をギュッとつかんで足の親指と小指をくっつけることができるほどです。
みなさんも、高血圧の予防・改善にぜひ足の整膚を活用してください。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p22,23
~耳鳴り・難聴は内耳の水分バランスの乱れが原因~
~横向き寝の人は要注意~
ヒダ耳鼻咽喉科院長 樋田 和彦
血液やリンパの水分バランスの乱れが原因
近年、中高年だけでなく、20~30代の若い人の中にも難聴・耳鳴り・めまい・耳閉感(耳が詰まった感覚)といった耳の上調に悩む人が増えています。
こうした耳の上調は、中耳炎や脳腫瘊、糖尿病などの病気を除けば、検査や診察を受けてもハッキリと原因を特定できないケースがほとんどです。
そのため、決め手となる治療法がなく、あちこちの病医院を転々としたり、「持病だからしかたがない《とあきらめたりしてしまう人が少なくないのです。
しかし、決してあきらめることはありません。実は、こうした耳の上調は、多くの場合、内耳の血液やリンパ液(細胞から余分な水分や老廃物を運ぶ無色透明の液体)
といった水分バランスの乱れが大いに関係しており、その乱れを正せば耳の上調の改善が期待できるからです。
内耳の機能の衰えが耳の上調を招く
耳は、音を集める役目を担う外耳、鼓膜や耳小骨の働きによって音の振動を伝えたり増進したりする中耳、聴覚と平衡感覚をつかさどる内耳の三つの部位に分かれています。
このうち内耳は、主に聴覚をつかさどるカタツムリに似た形をした蝸牛と、平衡感覚をつかさどる前庭とで構成されており、これらの器官には毛の生えた神経細胞(有毛細胞)が並んでいます。
外から入ってきた音は振動の刺激となって内耳の中のリンパ液を揺らし、有毛細胞の毛に触れることで電気信号として聴神経に伝わります。この電気信号が脳の聴覚領域へと送られると、
私たちは音を聞くことができると考えられています。また、体の動きを感じて脳に伝え、平衡感覚を維持するのも有毛細胞です。
こうした内耳の機能は20代の頃がピークで、それ以降は徐々に衰えていきます。そして、50~60代になると、難聴・耳鳴り・めまいなどの耳の上調を訴える人が多くなるのです。
内耳の機能が正しく働くためには、血液やリンパ液といった水分バランスが良好に保たれている必要があります。特に、蝸牛は、中がリンパ液で満たされ、
多くの毛細血管が張りめぐらされている器官なので、血液やリンパ液といった水分バランスが乱れると、その悪影響が真っ先に現れます。
そして、蝸牛や前庭に酸素や栄養が十分に供給されなくなると、老廃物の処理も滞るため、耳鳴り・難聴・めまい・耳閉感といった耳の上調を招きやすくなるのです。
耳の圧迫、過労、ストレス、睡眠上足も問題
では、内耳の水分バランスは、そのようなきっかけで乱れてしまうのでしょうか。例えば、みなさんの中には、寝るときに横向き姿勢を取る習慣のある人がいると思います。
また、テレビを見るときなどに、頬杖をつくように耳の周囲を圧迫する人もいるでしょう。
内耳は、繊維で複雑な構造をしているため、このような軽い圧迫や衝撃を受けただけでも水分バランスの乱れに直結します。
耳の圧迫のほか、過労や精神的なストレス、睡眠上足なども、内耳の水分バランスの乱れを招く原因になります。
これは、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)のうち交感神経(心身の働きを活発にする神経)が優位になり、内耳の血管が収縮してしまうためだと考えられます。
また、内耳の毛細血管の動脈硬化も水分バランスの乱れの原因になります。
以上のことから、耳鳴り・難聴・めまいなどの耳の上調を改善に導くには、内耳の血液やリンパ液の流れを促して水分バランスを整えることが重要です。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p26,27
~耳の整膚も血流アップに役立ち、耳の上調を訴える~
~患者さんの耳鳴り・難聴・めまいが続々と改善~
ヒダ耳鼻咽喉科院長 樋田 和彦
耳周囲の皮膚をほぐせば内耳の働きがアップ
耳鳴り・難聴・めまいといった耳の上調の主な原因は、内耳の血液やリンパ液(細胞から余分な水分や老廃物を運ぶ透明な液体)といった水分バランスの乱れです。
内耳の水分バランスを整えるには、整膚が有効です。足つまみを行えば全身の血流が活発になり、それに伴って内耳の水分バランスも整います。
それに加え、耳の上調を改善するには、耳の周囲の皮膚を集中的にほぐす耳の整膚もぜひ行ってほしいと思います。
耳の上調に悩む人は、耳に軽く触れられただけでも、痛みを訴えることがよくあります。これは、耳の圧迫や精神的なストレス、睡眠上足といった要因で、
内耳の血流が悪化し、体が柔軟性を失い、硬くなっているためだと考えられます。
そこで耳の整膚を毎日続ければ、耳の周辺が柔軟性を取り戻し、内耳の血液やリンパ液の流れが活発になります。そうなると、内耳の働きが一段とアップして、耳鳴り・難聴・めまいなどの改善が期待できるのです。
その場で耳の聞こえがよくなる人も多い
耳の整膚を足の整膚とともに、1日3セットくらいを目安に行うといいでしょう。大切なのは、少しの時間でもいいので毎日続けることです。
実際に耳の整膚を行うと、その場で耳の聞こえがよくなったり、耳閉感(耳がつまった感覚)が解消したりする人も少なくありません。また、1分もたたないうちに、
耳や頭部がポカポカと温かくなってくるのを感じるでしょう。これは、耳やその周囲の血流がアップしたことを示しています。
私は、耳の上調を訴える患者さんに、通常の耳鼻科の治療とともに、耳の整膚を施術したり、自宅で耳の整膚を行うよう指導したりしています。
その結果、耳鳴りや難聴が徐々に改善し、「耳鳴りが気にならなくなった《「聞こえがよくなってきた《「耳閉感が消えた《と喜ぶ人がたくさんいます。
私の経験からいうと、治療と耳の整膚の相乗効果により、2、3日から1ヵ月で、耳鳴りや難聴にはっきりした改善効果が現れるケースが多いようです。
心地いい刺激が自然治癒力を引き出す
私が耳の整膚の施術をすると、患者さんからは「気持ちがいい《という声が多く聞かれます。私は、この「気持ちがいい《「リラックスする《という心地いい感覚がどんな治療でも大切だと考えています。
また、医師が直接、患者さんの皮膚に触れることで、患者さんに寄り添った良好な関係が芽生え、このことが患者さんの体に本来備わった治癒力をひきだすことに繋がるのではないかと思います。
実は、私自身も、加齢による内耳の衰えで、数年前からキーンという上快な耳鳴りに悩んできました。それが、耳の整膚を3ヵ月ほど続けたら、今ではほとんど気にならない程度に改善されています。
足の整膚や耳の整膚は、誰も簡単にできて、副作用の心配もない優れた治療法です。
引用;30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p29
~耳の整膚は加齢性難聴にも効果大~
~たった1回で聴力が劇的に向上~
ヒダ耳鼻咽喉科院長 樋田 和彦
耳の整膚は加齢性難聴の改善にも役立つ
誰でも年を取ると、耳の聞こえが悪くなります。個人差はありますが、50~60代になると大半の人が聴力の低下を自覚するようになります。このように、老化が原因の難聴を加齢性難聴といいます。
加齢性難聴の原因は、内耳の蝸牛(聴覚をつかさどるカタツムリに似た内耳の器官)と呼ばれる器官の老化です。蝸牛の内部には音の振動を感じ取る有毛細胞という微細な細胞がびっしりと並んでいます。
ところが、加齢とともに有毛細胞が折れ曲がってしまったり、はがれ落ちたりすると、十分に音をとらえることができなくなってしまうのです。
こうした加齢性難聴でも、耳の整膚で耳の周囲の血流を促すことで、有毛細胞の働きを活性化したり、減少を食い止めたりする効果が期待できます。
たった1回の施術で聴力が数デシベル向上
実際に、当院では、耳つまみの施術を1回だけ行い、その前後の聴力の変化を試験的に測定したことがあります。
74歳の加齢性難聴の女性の聴力は、当初42.5デシベルの小さな音が聞こえれば正常で、31~40デシベルの音なら聞こえる人は軽度難聴、
41~55デシベルなら聞こえる人は軽中度難聴、91デシベルでも聞こえない人は重度難聴と判定されます。
この女性は軽中度難聴でしたが、耳の整膚を行った直後に測定した聴力は40.0デシベルで、聞こえが測定前より2.5デシベル改善していました。
別の74歳の女性にも耳の整膚を行った結果、直後に耳鳴りが消え、22.5デシベルだった聴力が18.8デシベルになり、3.7デシベル向上していたのです。
耳の整膚の効果の現れ方には個人差があり、すべての人に同様の改善が認められるわけではありません。実際には継続しないと効果が現れない場合が多いかと思われるので、ぜひ継続を心がけてください。
たとえば、当院の患者さんで耳の整膚を毎日根気強く行った47歳の公務員の男性は、45.0デシベルだった聴力が、5ヵ月後に15.0デシベルに回復しました。薬も併用したとはいえ、通常の治療だけでは、
これほどの改善はなかったでしょう。
引用;平成30年8月1日発行
わかさ夢MOOK 「足をつまむと病気が治る!美人になる!《 p31
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